TAKANORI ABE

はだしでもえろ

はだしでもえろ

TAKANORI ABE

衝動のメロディー

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桜のおいしい季節になった

タカハシはそう言って店を後にした

タカハシはスーパー3つ分ほどの公園のベンチに座った

 

タカハシは昨日と同じ今日を過ごすことに退屈している

そんなとき一人の女の子が隣に座った

 

女の子が話しかけてきた

お兄ちゃん太陽って気持ちがいいね

 

タカハシはそうだねと言った

 

どうやら女の子は隣接する病院に入院しているらしい

外に出れたのは久しぶりだったみたいだ

 

タカハシは思った

これは病気により幸福のハードルが下がり

ちょっとしたことで幸福を感じられる精神状態のやつだと思った

 

つまり健康な僕と病気の女の子では同じ太陽を浴びても

ありがたみに雲泥の差があるのだ

 

タカハシは言った

僕の浴びてる太陽と君の浴びている太陽は同じだけど

君の浴びてる太陽の方が気持ちがいいんだねと

 

タカハシには変化が必要だった

 

タカハシは家に帰ると荷物をまとめ引っ越すことにした

どこへいくかはまだ決めていない

しかしこの街ではないことだけはわかっていた

 

背中にはアップライトのピアノを背負って

左手にはコーヒーの木をもって

タカハシは歩き続けた

 

見慣れない新しい街に着くとタカハシはまず

八百屋に入ってアボガドを探した

タカハシはアボガドがないと生きていけない

幸いにもアボガドはあった

 

しばらく歩いていると小さな子供が

後ろについてきていることに気がついた

何か用かと聞くと子供はピアノを弾いてといっていきた

 

僕はまだピアノは弾けないんだと答えた

じゃあいつになったらピアノ弾けるのと聞いてきた

僕はいつかと答えた

 

女の子言った

いつかっていつ?

明日?明後日?明々後日?

 

いつかって言葉私は信じない

私のお父さんもいつか帰ってくるっていって

結局帰ってこなかったもん

 

だから今ここで弾いて

別にうまい演奏を聴かせてって言ってるんじゃないの

あなたの音を聴かせてっていってるの

 

鍵盤を押せば音は誰でも鳴らせるの

有名な先生に習わなくても音は鳴らせるの

ただ鍵盤を衝動で叩けばいいのよ

 

ほらみて

こうだよ

 

ジャビャギャダダダーン

ジャビャギャダダダーン

タリタリピロリーン

タリタリピロリーン

 

女の子は衝動に任せ鍵盤を叩いた

美しいメロディーではなかったが

そこには確かにあなたがいた

 

タカハシも同じように鍵盤を叩いてみた

 

トリロリポロリーン

トリロリポロリーン

チャリラリトゥワイン

チャリラリトゥワイン

 

タカハシは女の子にありがとうと言うと

もといた街へと戻っていった

非常識なジョニー

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朝は明るい夜は暗い

夏は暑い冬は寒い

 

どれも常識だと思われている

しかし常識とは本当に存在しているのだろうか

 

ジョニーは生まれたときからそれを疑っていた

その常識は誰が作り誰が決めたことなのか

百科事典かウィキペディア六法全書

 

ジョニーはいま監禁され殴られている

なぜならみんなと同じことを信じないからだ

 

みんながカラスが白いといったら

たとえカラスが黒だったとしても白だと言えと言われた

 

ジョニーは戸惑う

あのカラスはどう見ても黒い

もしかすると私が黒だと思っている色は本当は白という名前なのかもしれない

そう思って私の髪の色は何色だ?と拷問官に聞いた

 

すると拷問官は白だと言った

そうかそうか

であればあのカラスは白い

そう言ってジョニーは解放された

 

ジョニーはずっと黒だと思い込んでいた色が白だったことに驚いた

 

腹が減ったので街へでてジョニーは屋台で飯を食うことにした

お姉さんその白い饅頭をひとつくれ

 

は?うちに白い饅頭はないよ

うちには黒い饅頭しかないよ

お前あたま大丈夫か?

 

ジョニーは白い饅頭をつかみこれは黒なのか?と聞く

屋台のお姉さんはこれはどうみても黒だと言った

ジョニーはとまどった

 

いったい黒とはどんな色で

白とはどんな色なのだろうか?

 

そもそもこれを黒だと決めたのは

これを白だと決めたのは誰なのか?

 

ジョニーは決めた

ジョニーは全身をミルクで塗りたくった

その体で町中を歩きながらみんなに私は何色か聞いて回った

 

結果は99人が白といった

そしてたった一人黒だといった人がいた

 

それは髪の長い美しい女だった

女はわたしはあなたが黒だと思うと言った

 

ジョニーはなぜ黒だと思うのと聞いた

 

女は答えた

 

深々と唸るものがあなたの奥深くにはあって

それが皮膚を突き抜けて滲み出ている

表面は白で塗り固められていても

あなたはあなたでしかない

 

ジョニーは川へと向かいミルクを落とした

そして落ちていたわら半紙を手に取り紙飛行機を作り

太陽のほうへ向かって思いっきり飛ばした

 

そのときの太陽は黒く輝いていた

今日のワークアウト40

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・食事
朝:玄米おにぎり200g+プロテイン30g+アナバイト3粒(マルチビタミン
昼:鶏むね肉200g+玄米200g+プロテイン30g
3時のおやつ:プロテイン30g
夜:白米200gと適当おかず+アナバイト3粒(マルチビタミン
間食:ミックスナッツ、バナナ
トレーニング前:プロテイン30g
ワークアウトドリンク:マルトデキストリン40g+BCAA10g
トレーニング後:プロテイン30g+マルトデキストリン65g

 

ストロベリージャムの瓶

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アルベルトは言葉を捨てた

なぜならもう何もいうべきこともいいたいこともないからだ

いうべきことはもうすでに誰かが言ってしまってる

 

こうした方がいいということはたくさんあるが

どんな考えにしろ結局のところ

お前の好きに生きろの一言で全ては終わる

 

映画や小説はそれをただ

どうでもいい描写をいれ長々とこねくり回し2時間分にしただけだ

 

アルベルトは雑草を抜いている

アルベルトは雑草を抜いている

ときどき花に水をあげ

アルベルトは雑草を抜いている

 

土をよく見るとアリとダンゴムシとミミズがいる

アルベルトはアリとダンゴムシとミミズを

使っていなかった古いストロベリージャムの瓶にいれた

 

瓶の中の世界はアリとダンゴムシとミミズの順番に大きい生き物だ

もしもアルベルトがアリだとするとミミズはきっと龍と同じ大きさだ

 

龍が地面に隠れている世界で暮らすのは一体どんな気持ちなんだろう

アルベルトはほんの少しだけワクワクしていた

 

アルベルトは目が覚めるとすぐに瓶をみるのが習慣となった

アルベルトの習慣は全部で7つある

 

朝起きて歯磨き

先立った妻の骨にキスをする

飼っているヤギから絞ったミルクを飲む

教会に行って若い頃の罪を懺悔する

午後3時に北のほうを見てヤッホーと叫ぶ

夜仕事から帰ると家に入る前に靴を磨く

お風呂の中で3分間息を止める練習をする

 

人間には習慣が必要だ

習慣が精神を安定させる

突然習慣がなくなると人はおかしくなる

 

先立った妻は私が3時にヤッホーと言い忘れると

いつも病気になったんじゃないかとコーラックを3粒飲ませてくる

 

そして瓶を見る習慣がわたしの習慣に加えられた

しかし私は習慣を7つまでと決めている

わしはどの習慣をやめようか考えた

 

3ヶ月考えたすえ

わたしは妻の骨にキスをするのをやめた

なぜなら私はいま40歳年下のマリアに恋をしているからだ

 

私は妻の骨をアリとダンゴムシとミミズが入った

ストロベリージャムの瓶の一番下に入れることにした

だって先立った妻はストロベリージャムがステーキの次に好きだったから

 

しばらくして瓶を見るとアリが巣を作っていた

そこら中に洞窟が見える

私は透明の瓶にしてよかったと涙を流して喜んだ

 

洞窟をよく観察しているとその中にアリの家族がいることがわかった

家族を見るとなぜか微笑ましい気持ちになる

それはアリも例外ではないようだ

 

風の強い雨の雪の日だった

いつものように瓶を見るとアリの家族の長男が瀕死状態だった

するとダンゴムシがアリの細い道を強引に進んでいる

ダンゴムシはアリを救おうとしているのだった

しかしダンゴムシは挟まって動けなくなった

 

ダンゴムシは救おうとしたが結果的に道を塞ぎ

アリの家族を苦しめることになってしまったのだ

 

そんなダンゴムシの気持ちを知らないアリの家族は

ただただダンゴムシを睨みつけていた

 

すると突然地面がうなり出した

騒ぎで目の覚めたミミズがダンゴムシを地面まで押し上げた

アリは歓喜しすぐに地表へと長男を連れて行った

 

この中にお医者様はいませんか?

この中にお医者様はいませんか?

この中にお医者様はいませんか?

 

アリの両親は何度もなんども叫んだ

しかしここに医者はいない

ここにはアリとダンゴムシとミミズしかいないのだから

 

私は迷った私が助けるべきか

いやしかしこの世界に私は存在していないことになっている

私が手助けしたら世界の調和が崩れてしまう

 

そのとき瓶の下にある先立った妻の骨から声が聞こえた

あなたが正しいと思うことをしないさい

 

私はハッと我に返り

ストロベリージャムの瓶の蓋を開けた

そして瀕死のアリの長男を抱きかかえ動物病院へと向かった

 

あと少し遅かったら手遅れでしたよ

と言われたが6時間の手術は成功した

現在は集中治療室で休んでいる

 

1ヶ月ほどでようやく退院した

治療費は保険が効かないので300万だった

アルベルトは先立った妻と40年すごした家を売った

 

アルベルトは全てを失った

ストロベリージャムの瓶以外は

 

アルベルトは歩いた

アルベルトは歩いた

アルベルトは歩いた

 

アルベルトは程よく熟成したいい土の匂いのする森にたどり着いた

そしてストロベリージャムの瓶の中身を森に返した

 

アルベルトは言った

お前の世界を広げろ

そういってアルベルトは市役所に就職した

 

フォーティーエイトバードマン

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食べかけのチキンスープを食べながら

生まれたころの目に見えるものすべてがが知らないことで

溢れていた時のことを思い出す

 

知らなかった音

知らなかった匂い

知らなかった感情

 

色んなことを知っていくことで

わからないことが減っていき

同時に退屈が増えていく

 

前から人が歩いてくる

僕はこのままあるいていたらぶつかることを知っている

だから僕は左に避ける

 

前から人が歩いてくる

君はこのままあるいていたらぶつかることをしらない

だから君は真っ直ぐ進む

 

だけど最近は知っているけど真っ直ぐ進むことにしている

真っ直ぐ進んで思いっきりぶつかることにしている

なぜならそっちの方が楽しいからだ

 

左に避けないで真っ直ぐぶつかったとき私はここにいると感じられる

だから私は真っ直ぐぶつかる

 

あのときぶつかって交わった感触を

僕はまだ覚えている

 

それでも私たちには知らないことがたくさをある

しかし知るべき価値のあることはそんなに多くはない

しらなくても生きていけることはたくさんあるし

知らない方が幸福に生きれることもある

 

彼は鳥を見て空を飛ぼうとしている

自分も鳥と同じように飛べることに一つも疑いを持っていない

落ちていた大きめの葉っぱを両腕に縛り付け

彼は何の疑問も持たず崖から飛び降りた

 

彼は死んだ

48歳だった

 

わたしは飛んだ

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走り幅跳びは苦手だった

だって行ってはいけない向こう側へ行ってしまう

そんな気がするから

 

息を大きく吸い全身の関節を動かす

一番スピードが乗って来たところで私は体を向こう側に預ける

私は五年ぶりに飛んだ

 

向こう側にはシンディーがいた

シンディーはお風呂が湧いてるから先に入っていいいよと行った

私はその前にご飯を食べたいと思ったがシンディーとは初対面なので

人見知りの私は黙って従いお風呂へと向かった

 

湯船にはマーガレットの花びらが浮いている

私は左腕から体を洗い背中だけは自分で洗えないので

ジョーにお願いした

ジョーは背中を洗う専用に雇われているフィリピン人である

 

湯船に浸かろうとマーガレットの花びらを退けると

中には白いサメが泳いでいた

私は縁起がいいと思い湯船に使った

なぜかサメを見ても恐怖を感じなかった

きっとサメの顔がどこかおばあちゃんに似ていたからだろう

 

サメをゆっくりとわたしの全身に肌を擦り付ける

水面にわたしの垢が浮いていく

その垢をサメが食べていく

このサメはアカスリザメというサメだとそのとき気がついた

 

風呂をでてリビングへと向かうと

シンディーが食事を用意してくれた

今日はアカスリザメのフルコースよと言った

 

わたしは本当にあのサメの名前はアカスリザメだったんだという喜びと同時に

アカスリザメをこれから食べるということを考えると複雑な気持ちになった

 

一通り食事を終えるとシンディーはこれからピアノのレッスンがあるから

子供を見ててちょうだいと言ってわたしに500円玉を肛門から出してくれた

わたしはどういう意味かわからなかったけどその500円玉を肛門にしまった

 

子供はわたしに近づいてくる

わたしは子供が好きではない

 

わたしは子供に話しかける

こどもよ

 

すると子供はこう言った

わたしは子供ではない

わたしは高橋パウロ14世ジュニアだと

 

わたしは土下座をして謝った

申し訳ございませんでした

わたしは嗚咽をあげながら号泣した

その姿をみたジュニアは私を情緒不安定な人間だと思い

コーラ味のキャンディーをくれた

 

わたしはそのキャンディーを口に入れた

その瞬間私は飛んでいた

3秒後わたしは砂を舞いあげて着地した

 

わたしは飛んだ

わたしは飛べたんだ

まだ寒い夏の朝だった

スタンガン

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透明な光だった

目が覚めると僕は誰もいない海岸でクラゲに囲まれていた

 

はたから見れば僕はクラゲに襲われているように見えるが

実際にはクラゲはシャチから僕を守ってくれていた

 

ビショビショに濡れた重い体を起こして少し歩く

海岸には一定の間隔でココナッツの実が落ちている

僕はココナッツの実を拾い右と左にそれを

ボクシングのグローブのように装着した

 

歩いて来た道を戻りさっきのクラゲを粉々に殴り殺した

これで証拠は隠滅できた

 

日が暮れる前に寝る場所を探そう

森をぬけるとそこには3cm〜5cmほどの小人たちの社会があった

僕は小人たちに囲まれた

すると小人たちはネアンダールシン様といい抱きついて来た

 

どうやら彼らが崇拝する神に僕は似ているらしい

それから数日は毎日うたげが繰り広げられた

食べるものは小人たちがたくさん用意してくれた

しかし僕にとってはサイズが小さすぎて全く腹が満腹にならなかった

まあたまには腹3分目くらいが内臓を休められていいかと思い妥協した

 

それから数日が経ち小人の中の長老が参った

長老は我々小人族はクラゲ族に滅亡させられるという古い言い伝えがある

それが来週の金曜日だと言っている

長老は僕にそれを防いでくれと言った

 

僕はこの世界は弱いものが死に強いものが生き残ると言った

長老は僕にそんな非情なことを言うなと言った

だがもし僕がクラゲ族から小人を救ったとして

そのあとにやってくるシャチ族にはどうやって立ち向かうのか

また僕の力を借りるのか

僕はその時にはもう死んでいないかもしれない

だから誰かを頼るんじゃなくお前たちが強くならなくてはならないと僕は言った

 

目の覚めた長老はそれから幹部会議を開いた

小人たちは力では勝てないということで武器を開発することにした

 

クラゲは水、水は電気に弱い

電気を発車する武器を作ろうと言うことになった

小人たちは試行錯誤を繰り返しやっと完成した

 

そして決戦の金曜日

クラゲ族がやってきた

 

クラゲ族は宣戦布告した

小人族よ我々はもう海に飽きた

日々シャチから襲われることに恐怖する毎日に疲れた

これからは我々は地上で暮らすことすると言った

 

我々が地上で暮らすことを拒むのなら

我々は小人族を滅ぼすことになる

お前たちはどうしますか

 

小人族は言った

うるせーぶっ殺すぞ

みんなやっちまえ

という合図で戦争が始まった

 

クラゲ族は100匹

小人族は1000匹

 

クラゲ族は長い足を振り回し一振りで小人を999匹殺した

なんとか一人き残った小人族は完成した電気を発射する武器で

クラゲ族を一撃で全員倒してしまった

 

クラゲ族の長が最後に死ぬ時言った言葉

「ス・・・タン・・・ガン」

 

小人はこの武器の名をスタンガンと名付けた

そうこれがスタンガンのはじまりだった